仰々しいタイトルですが、そんな大それたことではないです。
芸術・アートとデザインには大きな違いがあるのはよく言われることです。
一番の違いは「芸術はみる人に問題提起をするもので、デザインは問題を解決するもの」。
デザインを続けていると、芸術の世界に行きたくなる欲求があるのは確かで、デザイナーの多くは様々な別の芸術的活動(絵画や造形、写真やライティング、音楽なども)をしている方が多くいます。
このところ知人友人の個展が多く開かれていて、先週は2件の個展に行ってきました。
おひとりは片山裕さんの 「片山 裕展 コワレモノの系譜」
会期:10月15日(火)~26日(土)
10:00〜19:00 ※20日(日)は閉館 入場無料
会場:玉川大学3号館ギャラリー(102教室)
小田急線玉川学園前駅下車徒歩10分
片山さんはグラフィックデザイナーで、いくつかのものは私も拝見していますが、とても素晴らしいデザイナーさんです。某交通機関の特急のポスターやマーク関連なども手がけていらっしゃったので、きっと目にしている方も多いのではないでしょうか。
そんな片山さんの絵は「人」をアナログとデジタルで描くもの。アナログはキャンバスにアクリルを指や手・腕を使って描いていく。一方のデジタルは、イラストレーターというソフトで描かれています。アナログ作品は曲線の細かで豊かな描写が印象的で、デジタル作品にも曲線はあるのですが、どちらかと言うと鋭角な印象がありました。
ツールやは違っても、どちらもこの人の作品だとひと目でわかるものでした。個性を持っている方は、ツールが変わってもしっかり表現できるものだと感じました。
下の写真はバイオリンとパソコンでの即興音楽が流れる中でもライブペインティング。その後のパーティーにも、デザイナー・イラストレーター・カメラマンなどがたくさんいらっしゃり、私も多くの方と知り合うことが出来ました。
展示は26日までですので、お時間があって近い方は是非!
もうひとりは、兼子真一さんは、セメントと顔料を使ったアーチスト。東京芸術大学美術学部デザイン科非常勤講師という肩書きを持ちながら、自らの制作を進めています。
会場は藤沢市の旧近藤邸という登録文化財、とても素晴らしい環境での展示で、ドローイングとセメントの作品をゆっくり見ることが出来ました。
自分で作品を見て周り、ひととおり見た後にご本人にお話を伺いながら見ると、なるほどと思う点も多く、たいへん有意義な時間を過ごすことができました。
あらためて思うのは、大きいものだと等身大に近いものもあり、これだけの重要の作品の制作時の苦労や、展示する際の作業を考えると、多くの作品を生み続けることの凄さをそんなところにも感じました。
個性的な作品が並ぶ兼子真一さんのWEBサイト
個性的なクリエイターの方々にお話を伺い作品を見ることで、たくさんインプットされたと思います。このインプットを、デザインという別のフィールドで生かせるようにしていこうと考えています。